Googleが衝撃的なAI論文を発表! :Titansがもたらす未来:2025/01/24
- 晋次 宮田
- 2025年1月24日
- 読了時間: 5分

2024年12月、Googleが人工知能(AI)の分野で革新的な(と私が感じた)論文を発表しました。
この研究は、AIの長期記憶能力を飛躍的に進化させる可能性を示しています。この発表は、AIの記憶や学習プロセスを「人間の脳」にさらに近づけるための重要なステップとなると直感しましたのでご紹介します。
しかし、この発表を受けて注目を集めたのはGoogleだけではありません。OpenAIもまた対抗する形で、次世代AIモデル「o3」を発表しました。この2つのモデル―Titansとo3―がAIの未来をどう形作るのか、その違いと可能性を、どちらも使ったことがない私が勝手に推測します!
Titansとは?―AIの記憶を再定義する新たなアーキテクチャ
Googleが発表したTitansは、AIが「記憶」をどのように扱うかについて革命をもたらす可能性のあるアーキテクチャです。従来のAIは長期的な情報の保持や活用には限界がありました。これに対し、Titansは人間の記憶システムを模倣し、以下のような特徴を持つ新しいアーキテクチャを提案しています。
短期記憶(Core Memory):現在進行中のタスクに関連する情報を処理する機能。
長期記憶(Long-Term Memory):過去のデータや文脈を圧縮し、必要に応じて参照可能。
持続的記憶(Persistent Memory):タスクに依存せず、永続的に保持される知識。
Titansには「驚き度(Surprise Metric)」という新しい概念が導入されました。これにより、AIは重要な情報だけを選んで記憶し、不要な情報を忘れることで効率的な学習を実現します。それにより長期依存が求められるデータ(法律文書や時系列データなど)で特に力を発揮するため、科学や医療の分野でも応用が期待できる様な気がします。
o3とは?―OpenAIが描く次世代の推論AI
一方、OpenAIが開発している「o3」は、AIの推論能力に重点を置いたモデルです。o3は、GPTシリーズをさらに進化させたもので、特に数学的推論や科学的問題解決といった高度な知的タスクで驚異的な性能を発揮します。
o3の特徴は以下の通りです。
高度な推論力:複雑な問題を短時間で正確に解決。
パーソナライズ:ユーザーの嗜好や過去の対話を学習し、個別に最適化された応答を提供。
創造性:物語や広告コピーの生成など、クリエイティブな分野でも優れた成果を出す。
また、o3は「対話」においても特化しており、ユーザーの質問に対して的確で一貫性のある答えを提供する能力が際立っていると発表されています。
Titansとo3の比較―記憶 vs. 推論の違い
Titansとo3はどちらもAIを「人間の脳」に近づけるという目標を持っていますが、そのアプローチは異なっているように感じます。
比較項目 | Titans (Google) | o3 (OpenAI) |
焦点 | 記憶:長期的な情報を効率よく記憶・活用。 | 推論:高度な問題解決能力や創造性を強化。 |
適用分野 | 医療データ解析、長文検索、時系列予測。 | 対話型AI、数学的問題解決、コンテンツ生成。 |
特徴 | - 短期・長期・持続的記憶の階層構造。- 「驚き度」で重要情報を選択的に記憶。 | - 高度な推論能力。- パーソナライズされた応答と創造性の強化。 |
スケーラビリティ | 最大200万トークン以上の長文に対応可能。 | トークン数はGPT-4レベルだが、推論速度と正確性が高い。 |
人間の脳に例えると?―2つのアプローチの違い
Titansとo3を人間の脳に例えるなら、以下のような違いがありそうです。
Titansは「記憶力が抜群な人」
過去の経験や膨大な情報を整理し、必要に応じて的確に引き出す能力を持つ。
例:百科事典のように膨大な知識を蓄え、どんなときでもその知識を活用できる人物。
o3は「推論力に優れた人」
目の前の問題に対して素早く解を導き出し、新しいアイデアや創造的な答えを生み出す。
例:複雑なパズルを瞬時に解き、次々と新しい戦略を提案する人物。
どのサービスにどのモデルを選ぶべきか?
この様な「違い」があるため、サービス事業者がLLMを活用したサービスを開発する際には、利用するモデルを選ぶ基準を明確にすることが重要になってきます。AWSかGCPかAzureか、といったインフラ選定より遥かに重要なLLM選定が必要となってくる可能性があります。
今のところの情報から推測すると下記のような分類で、利用するモデルを選ぶことになりそうです。
利用するAI | 適用するサービス | 理由 |
Titans | 医療データ解析、学術論文検索、IoTデータ解析、教育支援システム | 長期的な情報記憶と効率的なデータ管理が求められる場面で効果を発揮する |
o3 | カスタマーサポート、対話型アシスタント、クリエイティブなコンテンツ生成、科学的推論支援ツール | 高度な推論力とパーソナライズが重要なサービスに最適 |
例えば、大量の患者データを長期間記録し分析する医療システムではTitansが最適で、ユーザーに即座に回答するカスタマーサポートAIではo3が適しているかもしれません。
結論―AIの未来を見据えて選択する
Titansとo3は、それぞれ異なる強みを持つ次世代AIモデルとなりそうです。そのため、どちらを選ぶかは、開発したいサービスの特性や目的により選定が必要となります。
記憶を重視するならTitans、推論と対話を重視するならo3…それぞれのモデルの特性を理解し、適切な選択をする必要があります。
これからのAIサービスは、これらの革新的な技術によってさらに多様化し、進化を遂げていくことでしょう。
参考文献
Titans: Learning to Memorize at Test Time
書き手
名前:Shindy Miyata
所属:SHARE Security(http://security.share-yap.com/)
セキュリティエンジニア



